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【セラピスト向け】正座や膝関節深屈曲時痛(拘縮)へのアプローチ方法

正座が痛いのです。

という患者さんは比較的多いのではないでしょうか。

特にここでは一番訴えの多い「深屈曲時の膝裏(膝窩部)」の痛みに関してのお話になります

こんなの知ってるよ!!

という方はぜひ復習に(^^)

正座などの深屈曲時に膝窩部痛を呈すのはなぜ?

これに対して偉い先生はこう言いました。

半月板の挟み込みが原因だから、膝窩筋半膜様筋の収縮による半月板の誘導が重要です。

※膝関節機能障害に対する弱抵抗運動の効果について”第⑧回東海北陸地区理学療法士学会”浅野先生より

また、同じく偉い先生もこう言いました

膝屈曲によって後方関節包は緩むから、それがインピンジメント(挟み込み)すると、半膜様筋膝窩筋が筋スパズムを起こすよね。

※膝窩部痛に対する考え方と運動療法への展開”林先生より”

これらのお話からも

半月板・膝窩筋・半膜様筋

の3つがまずはポイントになることが分かります。

膝窩部痛の部位による鑑別

まずは膝窩部のどこが痛むのか、その場所によって大まかに鑑別します

膝窩部痛が膝の外側寄り

膝を曲げた際の膝窩部痛が膝の外側寄りの場合、それは

膝窩筋外側半月板の後角圧痛を認めることが多いようです

膝窩部痛が膝の内側~後側寄り

膝窩部痛が内側から後側の場合は

半膜様筋内側半月板後角圧痛を認めることが多いようです。

ではなぜ、半月板がこんなに挟み込まれるのでしょうか。

なぜ半月板は挟み込まれるのか。(インピンジメント)

これは、簡単な話。半月板の後方への可動性が不足しているからです。半月板がス~っと動けば、挟まれなくて済みますからね。でも、なんで可動性が不足するの?って話ですよね。

まずは、ここで先程ポイントにあげた半膜様筋膝窩筋が出てきます。

半膜様筋・膝窩筋の収縮不全

この2つの筋肉は膝の屈曲作用を有しますが、もっと大事な役割として

半月板を後方へ移動させるという役割があるわけですよね。

なので、この2つがうまく収縮していない場合は半月板は移動できず、挟み込まれるわけです。

そしたら・・

まずはこの2つの筋肉を自動介助運動でいいので何回か反復収縮運動をさせてみましょうか。

これだけでも、筋攣縮の改善および筋収縮の向上が見られて、結果疼痛が消失することもあります。

そしたら、もう犯人は確定ですね!

犯人はお前だ!!

そしたら患者さんに上記の筋肉へのセルフケアを教えてあげましょう

で、終われば苦労しませんけどね・・

もちろん他にも考える要因はあります

大腿前面の伸展機構の過緊張

半月板の前側にある組織は何があるでしょうか。大腿四頭筋、膝蓋上嚢、膝蓋下脂肪体あたりでしょうか。

これらの緊張が高いと、それに引っ張られて半月板は後ろへいけなくなってしまうようです。

まぁ、普通に考えれば半月板関係無く、膝の前側にある組織が硬い場合は曲げづらくなりますよね。

また既におわかりかもしれませんが

膝関節の屈曲には脛骨の内旋可動性が必須です。大腿四頭筋、膝蓋上嚢、膝蓋下脂肪体の過緊張は当然として、

腸脛靭帯や十字靱帯、膝蓋支帯の癒着によっても内旋は制限されてしまいます。

内旋が制限されると屈曲は出来ませんし、これが半月板インピンジメントの原因にもなるわけです。

どのように治療していくのか。

さて、ここまでのお話をまとめてみると・・

脛骨の内旋可動性を確保して、筋収縮を促し半月板を後方へ移動させる!

という至上命題が課されましたね。

とりかかりましょう。

膝窩筋の収縮促通(外側半月板の後方可動性低下に対して)

背臥位で行います

深屈曲痛手前で膝窩筋を触れつつ、下腿内旋を加えながら膝の屈曲自動介助運動をします

これにより膝窩筋による外側半月板後方引き出しを誘導します

半膜様筋の収縮促通(内側半月板の後方可動性低下に対して)

背臥位で実施します

膝窩部(脛骨側)で半膜様筋を触れます。そのまま触れている部位を意識しながら膝を屈曲してもらえれば

半膜様筋の収縮を確認できるでしょう。

膝伸展機構の過緊張

先程は伸展機構の硬さによって半月板が引っ張られるとお話しましたが。

さらに、運動学的には膝の屈曲には膝蓋骨の下方移動が必要なんですよね。これが出来ない理由としてもこの”膝伸展機構”ってのが立ちはだかることがあるんです。

膝蓋骨を上から引っ張っている犯人がいる(大腿四頭筋)

膝蓋骨を下からブロックしている犯人がいる(膝蓋下脂肪体)

しっかりと対応していきましょう。

①大腿四頭筋の緊張

大腿四頭筋の緊張低下はここで書くまでもなさそうですが

特に内側広筋は内後方へ、外側広筋は外後方への滑走性が重要です

②膝蓋下脂肪体の硬さ

超簡単です、膝伸展位でボコっと膝蓋骨下方に出てくる脂肪体を左右にモミモミしましょう。

もしくは膝蓋骨の下制と膝の伸展運動を組み合わせて動かすともっと良くほぐれます。

下腿内旋角度の拡大

上記までの治療をしたら、すでに内旋可動性はある程度改善していることが多いですが

他にも膝蓋支帯、腸脛靭帯、ACL、PCLの癒着によっても制限を呈しますので、しっかりと癒着改善をしておきましょう。

内旋の可動域拡大は基本的に他動運動が主体となるので、上記の柔軟性を確保したら

私の場合は膝を立ててもらった状態で、脛骨を両手でガッツリと把持したまま、反復して内旋方向への他動運動を繰り返します。

そこで左右差をある程度揃えたら、そのまま股関節ごと屈曲させ、脛骨の内旋を入れたまま自動運動で膝の屈伸運動を繰り返してもらいます。

筋力

そして最後に筋力です。これは深屈曲位での筋力です。

その角度での筋収縮は相反神経抑制という意味合いでも非常に大事な要素です

しかし

そもそも正座は膝屈曲160°ほどまで曲がるので、自動運動でそこまでもっていくのは不可能です。

なので、私の場合は”他動で深屈曲位にもっていって、その位置で伸展等尺性収縮”を反復してもらいます

また130°からの屈曲を自動介助運動で反復します。

もちろんこの場面でも、脛骨を把持して内旋と下方滑りを誘導してあげると尚良しですね。

まとめ

さぁ、ここまで来ていかがでしょうか。

簡単にまとめると

・半膜様筋と膝窩筋を動かして半月板を動かす

・四頭筋や脂肪体などの伸展機構の柔軟性をだして膝蓋骨可動性を確保

・脛骨の内旋可動性を出す

・深屈曲位が出てきたら、そこまで筋力を使う

ということです。

ここまでやっても駄目なら、MRI撮って下さい(泣)

まぁ、実はこの全てテーピング2.3本でパパッと検査できちゃうけどね

それはまた次回に♪

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